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環境経営度 by AI ①一緒に歩み、未来を託す会社を見つける

 会社を知る。「財務諸表を調べれば、わかるじゃない」と思いますか。事業内容、売上高、利益、従業員数などの指標を調べて納得すれば、十分?。株式などの個人投資家なら、事業の独創性、技術開発力など経営指標に表れにくい会社の将来性も加味すればもう満腹?。

財務諸表で全容がわかるか

 う〜ん、残念ながら財務の数字はすべてを語りません。儲かっていれば文句はないだろう。そんな時代もありましたが、それは資本主義が繁栄をもたらすとまだ信じられたていた時代。

 水俣病を思い出してください。戦前から日本を代表する化学会社のチッソは九州の不知火海に大量の有毒な水銀を流し続けていました。1906年に創業した野口遵氏の並外れた経営手腕によって当時の朝鮮半島にも事業を広げ、日本窒素化学を軸にしたコンツェルンを築き上げました。その流れは現在の旭化成や積水化学、信越化学につながります。会社の格を考えたら、日本でも頭抜けた名門。多くの人はあれほどの大企業が有毒を垂れ流すなんて、信じられなかったでしょう。

名門のチッソは水俣病を

 水俣病は、戦前の1932年から操業した熊本県水俣市の主力工場で触媒として使った無機水銀の副産物メチル水銀を含む廃液を不知火湾に垂れ流し続けたことが主因です。メチル水銀は食物連鎖などで魚介類に濃縮され、それを食べた漁師や住民に発症したのです。

 当初は原因不明の病とされましたが、1956年5月にチッソの産業医がチッソの廃液が原因と公式確認しました。勤務する会社の犯罪を告発した医師の勇気と見識に対し心から尊敬しています。

 しかし、水俣市はチッソの工場で潤う企業城下町です。チッソを真正面から批判するのは御法度に近い空気でした。水俣病の対応策が遅れた一因であり、その遅れが被害者、被害地域をさらに増やす悪循環を繰り返す悲劇を招いたです。

 それは昭和の昔話であり、令和にはあり得ないと笑いますか。

高収益の代名詞、ニデックは不適切会計

 ニデックはどうでしょう?1973年に京都市の小さなプレハブ小屋から創業した永守重信氏は、小型精密モーターを軸に企業買収を重ねながら、高収益を続ける優良企業に育て上げました。永守氏が先行きについて強気の発言をすれば、低迷していた株式市場が元気になるほど影響力を持ち、投資家からも厚い信頼を集めていました。永守氏はソフトバンクの社外取締役を務めるなど日本の経営者の間でも高い評価を得ていました。

 ところが、2025年に入って海外子会社で不適切な会計処理が発覚、日本を代表するエクセレント・カンパニーが根底から崩れ去りました。永守氏は12月に取締役を退任し、責任を明確にしましたが、企業財務の信頼性にも大きな傷をつけたのです。

 背景には永守氏が高収益を体現する決算数字に固執するあまり、経営幹部や従業員が萎縮してしまい、不適切会計に手を染めざるを得ない経営体質がありました。近く公表される第三者委員会による調査結果が明らかになれば、ニデックが作り上げた神話がいかに「張子の虎」だったのかがわかるはずです。

 会社の実力を見抜く。ニデックの事例を見るまでもなく有力会計事務所でも難しいテーマです。まして専門家でもない個人が仔細に分析するのは至難の業です。

気軽に会社の素顔を知りたい

 でも、ここで諦めたら、面白くないじゃないですか。会社勤めしている人なら、「この会社は他の会社よりもマシ」と信じて働きたいでしょ。スーパーなどで食品を買うにしても、健康を害する素材は含まれていないと信じたい。日常生活で毎日、利用する商品やサービスが知らない国や地域で多大な汚染や人的な抑圧の下で生産されているとしたら、自分自身も加害者の1人になった気分になります。

 誰でも、しかも気軽に会社の本当の素顔を知ることはできないか?。こんな動機で経営にメスを入れ、わかりやすい指標を駆使して分析してみたいと考えました。それが環境経営度 by AI(人工知能)のスタートラインです。なぜ環境経営と名づけたのか。なぜ人工知能を使うのか。それは・・・=次回に続きます。 

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