国連「気候サミット」日本は発言機会与えられず 見透かされた地球環境の本気度

 国連総会に合わせて9月20日に開催した「気候野心サミット」で日本政府は発言する機会が与えられませんでした。日本政府は欧米などに比べて地球温暖化対策で出遅れているとの印象が広がっているため、日本がどんな発言、パフォーマンスを演じるのか注目していたのですが、その舞台すら与えれられませんでした。その舞台

ジャニーズ、ビッグモーターなど不祥事企業の第三者委員会、信頼性を支えるのは情報公開と内部告発など

 ジャニーズ事務所、ビッグモーターなど不祥事企業を見ていると、「第三者委員会」と呼ばれる組織が煩雑に登場します。例えばジャニーズ事務所は創業者の性加害を解明する第三者委員会「再発防止特別チーム」が被害の実態を公表した後、次は被害者に対して補償を決定する「被害者救済委員会」を設け、補償金額を判断すると

バブル以前に終わる日本のESG・SDGsバブル 体面を重んる薄ぺらな化粧はすぐに剥げ落ちる

 やっぱり薄っぺらいブームだったのでしょうか。なんとも格好がつかない。日本のESGやSDGsをめぐる投資です。欧米で見直し機運 日本は欧米に比べ出遅れていましたが、ようやく環境のみならずESG、SDGs関連の投資に関心が高まってきていました。ところが日本の投資金額が増え始めようという矢先

ビッグモーターに見透かされた「意識高い系」以前の日本の金融  

 世界最大の運用資産会社ブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者の話題を最近、目にします。英国の経済誌「エコノミスト」は7月末、「woke capitalism」の顔として紹介していました。日本語訳では、「意識高い系資本主義」となるのでしょうか。「意識高い」という表現はあまり良い意味で使

SDGs 日本は世界から取り残され、遠のくばかり!? ジェンダーや気候変動で低い評価

 日本のSDGsに対する評価は163か国のうち21位。2017年は過去最高の11位でしたが、2019年は15位、2020年は17位、2021年は18位、2022年の19位とズルズルと順位を下げ続け、2023年は21位となりました。あれだけ政府も企業もSDGs推進を連呼しているにもかかわらず、SDGs

G7環境相会議を考える④ 水 日本の技術と経験は、世界に貢献へ

滋賀県の針江地区は今も生活の中心に湧水 琵琶湖の西岸に位置する滋賀県高島市の針江地域を訪れたことがあります。鈴江地域の住民のみなさんは、比良山系からの伏流水を「生水(しょうず)」と名付け、炊事や洗濯、もちろん飲み水など生活のあらゆる場面で使われ、水を利用する場所を「川端(かば

G7環境相会議④福島第1原発の汚染処理は世界に理解されているのか

 G7気候・エネルギー・環境大臣会合で公表したコミュニケの日本語訳が話題になっています。朝日新聞の5月16日付記事によると、全国の約150の市民団体らが「福島第一原子力発電所の事故対応」の項目で環境省が公表した日本語訳が間違っているとして撤回を求めているそうです。コミュニケの原文は英語で、環境省と経

G7環境相会議を考える③プラスチック汚染 出遅れの日本、リサイクルなど仕切り直しへ

 第3回はプラスチック汚染。ペットボトルや簡易トレーなど日常生活で欠かせないプラスチック製品が対象になりますが、日本はゴミの分別が進んでいるので、プラスチック汚染は他国に比べて対応が早いと考えていました。全くの勘違いでした。「日本はリサイクル先進国」は全くの勘違い 日本が再利

G7環境相会議を考える②地球温暖化の息遣いを伝える先住民とどう向き合う

 第2回は「先住民」。4月に札幌市で開催したG7の気候・エネルギー環境大臣会合で発表したコミュニケで「先住民」は議論され、採択されましたが、多くのメディアはCO2などの脱炭素、天然ガスの段階的な廃止に注目し、残念ながら先住民の問題はあまり触れられていません。世界の関心を考えれば致し方がないと納得しま

G7環境相会議を考える①国際政治の舞台から降りて、実行する時(長い口上から)

 国際会議を取材していると、ふと疑問に囚われます。会議で決まった結論は報道する価値はあるが、本当に実行されるのか。囃し立てて終わるだけか。あるいは「総論賛成、各論反対」「本音と建前」が入り乱れ、決裂するより何かしらの決議がまとまる方がマシ。とにかく第一歩。国際政治は清濁合わせ飲んで前進するのが常識だ

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