ビッグモーターに見透かされた「意識高い系」以前の日本の金融  

 世界最大の運用資産会社ブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者の話題を最近、目にします。英国の経済誌「エコノミスト」は7月末、「woke capitalism」の顔として紹介していました。日本語訳では、「意識高い系資本主義」となるのでしょうか。「意識高い」という表現はあまり良い意味で使

SDGs 日本は世界から取り残され、遠のくばかり!? ジェンダーや気候変動で低い評価

 日本のSDGsに対する評価は163か国のうち21位。2017年は過去最高の11位でしたが、2019年は15位、2020年は17位、2021年は18位、2022年の19位とズルズルと順位を下げ続け、2023年は21位となりました。あれだけ政府も企業もSDGs推進を連呼しているにもかかわらず、SDGs

G7環境相会議を考える④ 水 日本の技術と経験は、世界に貢献へ

滋賀県の針江地区は今も生活の中心に湧水 琵琶湖の西岸に位置する滋賀県高島市の針江地域を訪れたことがあります。鈴江地域の住民のみなさんは、比良山系からの伏流水を「生水(しょうず)」と名付け、炊事や洗濯、もちろん飲み水など生活のあらゆる場面で使われ、水を利用する場所を「川端(かば

G7環境相会議④福島第1原発の汚染処理は世界に理解されているのか

 G7気候・エネルギー・環境大臣会合で公表したコミュニケの日本語訳が話題になっています。朝日新聞の5月16日付記事によると、全国の約150の市民団体らが「福島第一原子力発電所の事故対応」の項目で環境省が公表した日本語訳が間違っているとして撤回を求めているそうです。コミュニケの原文は英語で、環境省と経

G7環境相会議を考える③プラスチック汚染 出遅れの日本、リサイクルなど仕切り直しへ

 第3回はプラスチック汚染。ペットボトルや簡易トレーなど日常生活で欠かせないプラスチック製品が対象になりますが、日本はゴミの分別が進んでいるので、プラスチック汚染は他国に比べて対応が早いと考えていました。全くの勘違いでした。「日本はリサイクル先進国」は全くの勘違い 日本が再利

G7環境相会議を考える②地球温暖化の息遣いを伝える先住民とどう向き合う

 第2回は「先住民」。4月に札幌市で開催したG7の気候・エネルギー環境大臣会合で発表したコミュニケで「先住民」は議論され、採択されましたが、多くのメディアはCO2などの脱炭素、天然ガスの段階的な廃止に注目し、残念ながら先住民の問題はあまり触れられていません。世界の関心を考えれば致し方がないと納得しま

G7環境相会議を考える①国際政治の舞台から降りて、実行する時(長い口上から)

 国際会議を取材していると、ふと疑問に囚われます。会議で決まった結論は報道する価値はあるが、本当に実行されるのか。囃し立てて終わるだけか。あるいは「総論賛成、各論反対」「本音と建前」が入り乱れ、決裂するより何かしらの決議がまとまる方がマシ。とにかく第一歩。国際政治は清濁合わせ飲んで前進するのが常識だ

フィンランド 世界最大級の原発を稼働 なぜ実現できたのか 日本が学ぶことは?

 2023年4月中旬、フィンランドで出力160万キロワットの原子力発電所が稼働しました。発電能力は世界最大級です。欧州はドイツが脱原発に進んでおり、原発アレルギーが強いと思われがちですが、フランスが原発を発電源の主軸にするなど前向きの国々があります。それでもフィンランドの原発は欧州で15年ぶり。なぜ

神宮外苑に???の並木、「都民が共感するように」都知事が本気なら、再開発事業者は無視できないはず

 東京・神宮外苑の再開発問題に出口が見えません。3月下旬、神宮第二球場の解体工事が始まり、再開発事業が本格着工しましたが、樹木伐採などが伴う工事内容に対する大きな批判が収まりません。都知事は「都民の共感を得るように」と2度目の要請 東京都の小池百合子知事は4月7日の記者会見で「都民の理解や共

経産省が国交省を行政指導する日は近い?! 企業の人権侵害の手引き公表

 経済産業省は4月4日、「人権デューデリジェンス」を公表しました。企業は販売、部品などの事業を通じて幅広い企業と関係していますが、下請けなど系列の序列や力関係による人権侵害、あるいは調達や販売などで関連する企業による人権侵害を防止するのが狙いです。経済のグローバル化により広大なサプライチェーンで構築

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