排出権取引市場が開設 あまりにも遅い試みは、世界から取り残された日本を映し出す

 10月、東京証券取引所にCO2など温暖化ガスの排出権を取引する「カーボン・クレジット市場」が開設されました。自主的に参加する企業などがCO2の排出量を削減した数量を株式や債券のように金銭化して売買、2026年の本格運用に向けて準備運動するのが目的です。開設イベントには西村経産相が参加。政府の後押し

EUが「エコ」を厳密管理 安易な広告表示は禁止 企業は化粧せず素顔で地球環境を語れるか

 欧州連合(EU)が地球環境への配慮の意味を込めた「エコ」表示の使用範囲を厳密に管理する方針を決めました。「環境にやさしい」「カーボンニュートラル」「生分解性」など多くの商品やサービスで採用されている言葉について、表現できる正確な根拠が証明することを求め、証明されない場合は採用を禁止します。2026

国連「気候サミット」日本は発言機会与えられず 見透かされた地球環境の本気度

 国連総会に合わせて9月20日に開催した「気候野心サミット」で日本政府は発言する機会が与えられませんでした。日本政府は欧米などに比べて地球温暖化対策で出遅れているとの印象が広がっているため、日本がどんな発言、パフォーマンスを演じるのか注目していたのですが、その舞台すら与えれられませんでした。その舞台

ジャニーズ、ビッグモーターなど不祥事企業の第三者委員会、信頼性を支えるのは情報公開と内部告発など

 ジャニーズ事務所、ビッグモーターなど不祥事企業を見ていると、「第三者委員会」と呼ばれる組織が煩雑に登場します。例えばジャニーズ事務所は創業者の性加害を解明する第三者委員会「再発防止特別チーム」が被害の実態を公表した後、次は被害者に対して補償を決定する「被害者救済委員会」を設け、補償金額を判断すると

バブル以前に終わる日本のESG・SDGsバブル 体面を重んる薄ぺらな化粧はすぐに剥げ落ちる

 やっぱり薄っぺらいブームだったのでしょうか。なんとも格好がつかない。日本のESGやSDGsをめぐる投資です。欧米で見直し機運 日本は欧米に比べ出遅れていましたが、ようやく環境のみならずESG、SDGs関連の投資に関心が高まってきていました。ところが日本の投資金額が増え始めようという矢先

ビッグモーターに見透かされた「意識高い系」以前の日本の金融  

 世界最大の運用資産会社ブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者の話題を最近、目にします。英国の経済誌「エコノミスト」は7月末、「woke capitalism」の顔として紹介していました。日本語訳では、「意識高い系資本主義」となるのでしょうか。「意識高い」という表現はあまり良い意味で使

SDGs 日本は世界から取り残され、遠のくばかり!? ジェンダーや気候変動で低い評価

 日本のSDGsに対する評価は163か国のうち21位。2017年は過去最高の11位でしたが、2019年は15位、2020年は17位、2021年は18位、2022年の19位とズルズルと順位を下げ続け、2023年は21位となりました。あれだけ政府も企業もSDGs推進を連呼しているにもかかわらず、SDGs

G7環境相会議を考える④ 水 日本の技術と経験は、世界に貢献へ

滋賀県の針江地区は今も生活の中心に湧水 琵琶湖の西岸に位置する滋賀県高島市の針江地域を訪れたことがあります。鈴江地域の住民のみなさんは、比良山系からの伏流水を「生水(しょうず)」と名付け、炊事や洗濯、もちろん飲み水など生活のあらゆる場面で使われ、水を利用する場所を「川端(かば

G7環境相会議④福島第1原発の汚染処理は世界に理解されているのか

 G7気候・エネルギー・環境大臣会合で公表したコミュニケの日本語訳が話題になっています。朝日新聞の5月16日付記事によると、全国の約150の市民団体らが「福島第一原子力発電所の事故対応」の項目で環境省が公表した日本語訳が間違っているとして撤回を求めているそうです。コミュニケの原文は英語で、環境省と経

G7環境相会議を考える③プラスチック汚染 出遅れの日本、リサイクルなど仕切り直しへ

 第3回はプラスチック汚染。ペットボトルや簡易トレーなど日常生活で欠かせないプラスチック製品が対象になりますが、日本はゴミの分別が進んでいるので、プラスチック汚染は他国に比べて対応が早いと考えていました。全くの勘違いでした。「日本はリサイクル先進国」は全くの勘違い 日本が再利

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