生命保険会社の社員が顧客から億円単位のお金を巻き上げることは金融業界では当たり前のようです。「富裕層は、違法の匂いがしても誰にも知られないなら、儲け話に飛びつくカモ」。あたかも真実のように語られる都市伝説と信じたいですが、やっぱり金融業界の実相を伝えていました。
元社員が22億円を借り入れ
今度はソニー生命保険。ソニー生命の元営業担当者が顧客から約22億円を借り入れ、約12億円が返済されていないことが発覚しましt。ソニー生命は2023年にこの不祥事を知りましたが、営業担当者個人によるお金のやり取りと受け止め、公表しなかったそうです。個人の金銭貸借ですから、ソニー生命は弁済しないとしています。
プルデンシャル生命保険の社員・元社員約100人が顧客約500人から約31億4000万円を詐取した事件が2026年1月に発覚したばかりです。架空の投資案件などを顧客へ持ちかけ、騙し取るなど反社会的勢力「トクリュウ」も顔負けの事件と呆然としましたが、優秀な営業担当者が集まると評価されていたソニー生命も「同じ穴の狢(むじな)」だったとは!
しかも、1人の社員が2015年から22年までの7年間、顧客や親族ら約100人に個人名義で借用書を作成し、約22億円を金銭を借りていました。借りた金は運用によって「毎月3%の配当金を出す」と説明していたそうですが、うまい話で誘う詐取のお約束通り、運用は失敗。約1億円が未返済になっています。
プルデンシャルもソニーも成績優秀な営業職
この元社員は優秀でした。ソニー生命の営業担当者約5800人のうち上位1割に入っていたそうです。ソニー生命は営業職の報酬体系に完全歩合制を採用していますから、この元社員はかなりの年収を得ていたと察します。単純比較しても、プルデンシャル生命の場合は社員・元社員が100人で31億円を詐取しましたが、ソニー生命の場合は元社員1人で22億円を掻き集めました。ソニー生命の営業職はプルデンシャル生命に比べ、優秀だった証拠?と勘違いしてしまいそうです。
プルデンシャル生命の詐取が発覚した際、氷山の一角と考えていました。プルデンシャル生命、ソニー生命などやり手の営業担当者が集まる生命保険会社は顧客として富裕層を相手に抱え込みます。世界ブランド「プルデンシャル」「ソニー」を記載した名刺を持つ営業担当者が「あなただけに教える高配当が確実な投資案件です・・・」と囁いたら、心が動いても不思議じゃありません。「富裕層はカモ」。こんな囁きが聞こえてきます。
不正行為を働いた人間は当然、罰せられなければいけません。ただ、成績優秀と評価された営業担当者の言動を間近で見聞きする他の社員は、噂などで知っていたのではないでしょうか。
そんな不信感を抱くのも、あまりにも不祥事が相次いでいるからです。損害保険会社を思い出してください。中古車販売最大手のビッグーモーターはじめ顧客の個人情報を不正に入手し、他の営業事案に利用する不正行為が絶えません。東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社だけで250万件のの顧客情報が勝手に使われています。
損保も生保も「同じ穴の狢」
生命保険最大手の日本生命保険、第一生命ホールディングスも「同じ穴の狢」でした。こちらも出向先から得た内部情報を持ち出していたことが発覚しています。そして外資系生命保険大手のメットライフ生命保険も加わりました。持ち出した情報の件数は数千件に上るとみられ、生命保険業界で過去最多を記録するそうです。
ここまで来ると、金融機関の命は「信用」と語っていた時代は遠い昔話だったと笑うしかありません。
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