ESG・SDGsと企業経営

「SDGsウィークだから」理念とともに商機も一緒に広がる

 9月25日は2015年の同日に国連総会でSDGs(Sustainable Development Goals)が採択され、「グローバル・ゴール・デイ」と呼ばれています。この日を挟んだ1週間は「SDGsウィーク」として世界各地で多くのイベントが開催されます。日本でも自治体や経済団体、企業がSDGsの実践を広めようと様々な企画となって盛り上げようとしています。だからでしょうか。9月25日を目前にしてSDGsに関したメールが多く舞い込んできます。先日、あるエネルギー会社からのメールもその一つでした。

「訳あり商品を割安に」はSDGs?

 「SDGs応援WeeK開催中 3,980円以上のお買い上げで300円クーポンを配布します」

 SDGsと300円のクーポン配布がつながらず、もう毎日のように届くマーケティングメールと勘違いしそうでした。なにしろ紹介されているネット通販のサイトで「食品ロス削減に貢献しながら、社会貢献団体に寄付もできる」とあります。販売するのは、 賞味や消費などの期限が近い商品、なにかしらの理由があって処分される商品などが対象です。

 いわゆる「訳あり」を割安に販売して、期限切れで捨てられるのが常識だったマーケティングを変えようという狙いなのでしょう。売り上げの一部は社会貢献に努める団体に寄付されるそうです。食品ロスを少なくする社会運動に参加しながら、頑張っている団体にも貢献できる。流行りの言葉で例えれば商品を生産するメーカー、ECサイトを運営する企業、購入する消費者いずれもウィンウィンの関係です。

 ここ数年のSDGsはちょっとしたブームです。企業の経営計画にはかならずESG・SDGsの文字が並び、学校教育や日常生活で使われ、大人も子供も身近な言葉となって使うのが当たり前になってきました。SDGsには目標とする持続可能な社会を実現するため、17項目が設定されています。

ふるさと納税と同じ景色を彷彿

 SDGsウィークのイベントはどこかで見た景色のような気がしました。ふるさと納税です。自分が生まれ育った土地、あるいは応援したい土地の自治体に税金を寄付します。ほとんどの場合、自治体は返礼品を揃え、納税・寄付した人へ送ります。寄付した人は節税した気分になりますし、税収不足に悩み続ける自治体は税収増の柱として歓迎します。

 しかし、本来の目的である地方創生、自治体の行政改革に貢献しているのでしょうか。それよりも自分たちの住む自治体に納税しなければ、自分たちの住む土地をより良くすることができません。なにかスッキリしません。

 SDGsウィークのイベントは社会的な意識の高まりを支え、加速するためにとても重要です。ただ、商機と捉えて便乗しているかの印象を与えかねない恐れもあります。SDGs本来の目的をもっと広く伝える努力をもっと強調してほしいです。ふるさと納税と同じような正体不明のキャンペーンに陥ってしまったらとても残念ですから。

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