人工知能(AI)を使って企業経営をどこまで手軽に分析できるのか。温暖化防止や資源の効率利用など地球環境に配慮した経営を視点に試してみました。
「環境経営」と表現して良いでしょうか。環境という言葉自体、多くの意味合いが込められているので、とても雑駁な捉え方と見るかもしれませんが、企業経営は多角的、複眼的にいろんな視点から切り取ってもキリがないほど複雑怪奇な生き物です。事業内容はモノ、サービスを問わず技術革新が進み、変革していきますし、経営者が代変わりするたびに戦略は異なる方向を向くことがあります。「環境経営度」という切り口と指標を人工知能と一緒に磨きをかけながら、目の前の現実と符合する精度に向けて試行錯誤してみたいと考えています。
環境経営の視点は多いが、まずCO2で
環境経営度を分析する第1の視点としてCO2の排出量を選びました。地球温暖化の主因の一つとされるCO2は、石炭や石油、ガスなど化石燃料が燃焼され、排出されます。鉄鋼産業、自動車産業、航空産業など化石燃料の燃焼で新たなエネルギーを創出して、鉄鋼、自動車や航空機のエンジンなどで大量に燃焼され、CO2が排出されます。
CO2の排出量削減は1970年代の深刻な大気汚染はじめ石油危機に代表される資源の節約などを背に受けて加速していることは、説明不要です。とりわけ、自動車は欧米や日本、中国などの基幹産業として経済をリードする役割を担っており、CO2排出量の削減にあたっては難解ではあるものの、大きな期待が集まっています。
今回、人工知能にCO2の排出量を抑制しているか、してないかを測る指標として売上高当たりの排出量を「排出強度」と換算する考え方を利用しました。言い換えれば、排出強度が低いほど企業活動から排出するCO2が相対的に少ないと判断します。節減努力の「エネルギー」を注いでいる企業の姿勢と事業構造が反映されているわけですから、企業の事業戦略の違いも明確に浮き彫りにされます。
排出強度は節減努力の指標
当然ですが、トヨタ自動車の売上高は50兆円に達するのに対し、ダイハツ工業は1兆7236億円ですから、たとえ売上高あたりの排出量が少ないといってもトヨタはダイハツの4倍近い大量の排出量を放出している形になります。
さて人工知能はどう判断したのか。排出強度を指標を算出してみました。
第1位はダイハツ。排出強度は1・2〜1・5。
経営規模が小さいこともありますが、最も大きな要因は軽自動車を軸に小型車を生産していることです。軽は自動車の中でもエンジン排気量が小さいため、燃費効率が高いうえ、生産工程の合理化に熱心なメーカーですから、トップの座に輝くことに不思議はありません。
ダイハツが第1位なら、スズキは第2位に続くと誰もが想像します。排出強度は1・5〜1・8。
ダイハツとスズキは日本の軽自動車市場のシェア争いを演じながら、軽の進化を牽引してきました。最近は小型車を拡充する一方、インドでの事業が経営の大黒柱に育ち、ダイハツと事業構造の差が生まれています。この違いが企業活動から生み出されるCO2の排出量の差異に直結しています。ただ、ダイハツが手がけていない二輪車を生産していることもあり、CO2の排出量でダイハツと僅差になったのだと推測します。
第3位はホンダ。排出強度は1・8〜2・2。二輪車と四輪車を軸に生産体制を構築しており、同じ事業構造のスズキよりも中小型車の開発・生産が主体になるため、スズキを上回る排出強度となっています。
トヨタは第4位
第4位はトヨタ自動車。排出強度は2・0〜2・4。世界第1位の新車販売を誇るトヨタでありながら、CO2を節減している努力の表れといえます。生産手順を徹底して効率化するカンバン方式はとても有名ですが、世界トップに躍り出る経営力がCO2の排出量抑制でも発揮されています。さすがです。
続く順位については次回に続きます。
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