ESG・SDGsと企業経営

「顧客から金銭詐取、情報の無断持ち出し」は保険の常識 「誰も騙しません」と明記して

 映画に例えれば、オールスターキャスト、主役級のスターが勢揃いです。プルデンシャル生命保険、ソニー生命保険が顧客からの金銭詐取が相変わらず噴出するなかで、プルデンシャル生命のグループ傘下のジブラルタ生命も俎上に。

不祥事はまるでオールスターキャスト

 損害保険も負けていません。出向先から勝手に情報を持ち出す不祥事がここ3年間、相次いでいますが。再び頻発。東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の損保大手3社からトヨタ自動車に出向していた社員が、無断で同社から情報を持ち出していたことが明らかになりました。

 ここまで続くと、保険業界は顧客を騙す、あるいは顧客情報を無断で流用することが業界の常識なのかと思います。保険会社に勤める人なら、薄々知っていたのではないかと勘ぐりたくなります。なんと、知らなかったのは顧客だけ?

プルデンシャルの病巣は根深い

 不正行為の新入りはジブラルタ生命。元社員らによる顧客からの金銭詐取被害の疑いが数十件規模で発生していることが明らかになりました。

 これを受けてプルデンシャル生命は社員106人が500人近い顧客から31億円超を騙し取った不祥事を受けて5月9日まで新規契約を自粛していましたが、ジブラルタ生命の詐取発覚により再発防止に時間がさらに必要と判断し、6カ月ほど延長する方向です。ブルデンシャルグループに広がる病巣は相当根深いのでしょう。

 次いでソニー生命。すでに金銭詐取などの被害が発覚したため、社内調査を進めていましたが、20〜30件の被害が明らかになっており、対象を保険契約全件に相当する約250万件にまで広げることにしました。

 損害保険ではもう常連組が出来上がったようです。4年ほど前から損保大手が中古車販売のビッグモーターを舞台に不正な損害補償請求を捻出する不祥事に関わっていたことが大きなニュースになっていましたが、ここ1年間は顧客情報の無断持ち出しが止まりません。いずれも銀行などに出向した社員が出向先の顧客情報を流用して、出向元に伝えて保険営業に利用していました。

損保は銀行のみらずトヨタからも

 銀行など金融機関だけかと思っていたら、今度はトヨタでした。東京海上日動、三井住友海上、あいおいニッセイ同和の3社はもともと自動車損害保険で高いシェアを握っていますが、国内の市場シェアを握るトヨタの情報を勝手に頂戴しました。

 プルデンシャル生命やソニー生命などの営業は富裕層相手を騙す手口もかなり悪質ですが、損害保険の場合も顧客が知らない間に個人情報を盗み取り、新規契約あるいは乗り換えを勧誘する不正行為です。ネット保険を軸に安売り競争が激化しており、新規契約を増やすために多くの顧客名簿が欲しかったのでしょう。 

 もうゴミに捨ててほしいと思うものが浮かびました。保険を契約する際に必ず目にする注意事項です。ていねいに読む気持ちが失せるほど大量な事項が列挙され、絶対に読めないと思うほど細かい字で記載されています。それでも文句を言わないのは、保険契約は違いの信頼が大事と思うからです。これだけ不正行為が続くなら、あの注意事項の同意はやめて、次のことを新たに大きな文字で記載してください。

「私たちは誰も騙しません」

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