ESG・SDGsと企業経営

保険会社は信用より顧客を食って生きる 損保ジャパン、日生、プルデンシャル生命

 保険会社の不祥事に慣れてしまい、多少のニュースで驚きませんが、プルデンシャル生命保険の詐取には呆然。

 なにしろプルデンシャル生命の社員約100人が顧客約500人から金銭を騙し取ったり、借りても返済しなかったり。架空の投資案件などを顧客へ持ちかけ、騙し取った金額は約31億4000万円。「トクリュウ」など反社会的勢力も顔負け。

「トクリュウ」顔負け

 世界でも高い評価を集める「プルデンシャル・ファイナンシャル」の一員で、顧客は経営者や富裕層が多いそうですから、自身の資産を有効活用したいと考え、投資する人は多いでしょう。

 想像してみてください。世界ブランド「プルデンシャル」を看板に自身の担当者が「あなただけ・・・」などと囁いたら、心が動いても不思議じゃありません。社員100人が詐取行為を働いていることは、多くの社員も耳にしていたはず。多くの人間が関わった組織犯罪と考えても的外れとは思えません。

 さらに呆れるのは記者会見を開いて、詐取の全容を説明していないことです。一連の不祥事の被害総額などを公表した1月16日に関原寛社長が2月1日付けで辞任し、経営責任を取ることも明らかにしましたが、経営幹部が公の場には現れていません。社員100人、31億円超の不正行為を見逃したプルデンシャル生命の経営実態はどうだったのか。ようやく1月23日に記者会見すると発表しましたが、重い腰をようやく上げたという印象だけが伝わってきます。

不祥事は痛手?

 もっとも、過去の保険会社の不祥事を振り返ると、金融機関にとってそんなに痛手にはならないと考えているフシがあります。

 例えば中古車販売最大手のビッグーモーターを思い出してください。2022年から2023年にかけて次々と不正行為が発覚し、中古車販売業界のみなならず大手の損害保険会社を巻き込む事件となりました。損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険はビッグモーターに出向者を送り出し、事故車両の修理や紹介などで深い取引関係を持っていましたが、ビッグモーターの不正行為を見て見ぬふりというか、渡りに船とばかりに利用しています。

 不正行為が発覚した後、保険3社は取引を停止しましたが、損保ジャパンだけは再開。法律違反よりも自社の利益、成績を優先する経営姿勢は当然、批判され、2024年1月に損保ジャパンの白川儀一社長は辞任に追い込まれます。

 まだあります。2024年8月には大手損害保険4社が契約者の個人情報を大量に不正入手している不祥事が明らかになります。各社の社員が出向していた保険代理店で得た個人情報を本社へ流したり、自動車保険商品を取引するディーラーから情報を取得していました。合計250万件というですから、常態化していたとしか思えません。

情報持ち出しは損保ジャパン、日生も

 この4社は東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。個別に件数を見ると、損保ジャパンが99万1000件、東京海上が、96万件、三井住友海上が、33万6300件、あいおいが21万7000件。業界トップ争いを演じる東京海上と損保ジャパンが突出した数字となっています。勝ち抜くすためには「やっちゃいけないことをやらなきゃいけない」というが社内常識なのでしょう。

 真打はやはり生命保険最大手の日本生命保険。損害保険と同様、出向先の銀行から得た内部情報を持ち出していたことが発覚しました。子会社のニッセイ・ウェルス生命保険の社員9人が三井住友銀行とみずほ銀行に出向した2019年4月〜25年4月までの期間、他の生命保険の商品情報などを含む資料943件の情報を無断で持ち出しました。一部は親会社の日生と共有していました。日生そのものも、出向先の金融機関7社から計600件の内部情報を無断で持ち出す不祥事が発覚しています。苦笑するしかないです。

 不正行為を働いた会社はいずれも日本を代表する保険会社ばかり。金融機関は信用第一と言われますが、経営が立ち行かなくなるなんて噂は全く広がりません。

プルデンシャルは氷山の一角か

 きっとプルデンシャル生命の詐取は氷山の一角。信用は立て看板。表面を擦れば、強欲という2文字が浮かび上がります。これが金融機関の素顔なのでしょうか。

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