ディスコ Eco*Ten 10満点の8・0点 SDGsの総花的な贅肉を削ぎ、強い分野をより研磨する

 半導体の精密加工メーカーのディスコをEco*Tenしてみます。 創業は第二次世界大戦前の1937年。砥石の技術をもとに事業化しました。呉市は日本帝国海軍の本拠地で、戦艦大和を建造した造船所が今も健在です。余談ですが、大和を建造した大型機械が元気に動きているのを見た時は、日本の製造業の凄みに

富士通 聴障害者向け電車発着の動画表示  乗降客の心に大きく響く

 JR上野駅のホームで少年がお母さんに向かって手話を披露していました。背のすぐ後ろには清涼飲料水の自動販売機。その上には大きな画面を備えたディスプレー機が載っています。ちょうどホームに山手線が進入してきました。画面では駅員が手話で電車の到着を伝え、しばらくしてからドアが閉まりますと注意を喚起します。

キーエンス Eco*Ten は10点満点の6・5点 環境は身の丈に合わせて努力

 高収益企業の代表選手であるキーエンスを評価してみます。事業そのものはセンサーを軸にした自動制御技術を中心に事業を拡大している日本でもトップクラスの優良企業です。Eco*Tenの簡素な評点に異論を持つかもしれませんが、欧米の債券格付け会社を真似て勝手格付けに挑みます。 キーエンスの業績はずば

「サッポロバレー」再び シリコン製より猥雑なカオスからアイデアと自信を

 北海道札幌市が「サッポロバレー」と呼ばれたことを知っていますか。米国西海岸のシリコンバレーから世界の最先端技術をリードする若い企業が数多く輩出されるバイタリティに憧れて、世界各地で「〇〇バレー」と呼ぶことが流行していたこともありますが、札幌市からも世界から注目される起業家と事業が相次いで誕生してい

ESGとSDGs は広告の人気キャッチコピー 実践よりもまずは「映える」が最優先

 ESGとSDGsをどこ見たかを思い出してみてください。こんなつまらない質問を思いついたのは、最近見かける頻度が限られてきた印象を強く感じるからです。2022年に入ってロシアのウクライナ侵攻など世界を混乱に追い込む出来事が相次ぎ、マスメディアのニュースヘッドラインからESG・SDGsの文字が失われて

ESG、SDGsに2つの顔、表はイケメン、裏は 役員報酬や従業員ボーナスの査定対象に

 ESG、SDGsが役員報酬や従業員のボーナスの査定対象に採用する企業が増えています。世界の大手会計事務所のプライスウォーターハウスクーパーズ(PcW)のホームページをみると、英国の主要株価指数のFTSE100銘柄うち45%がESGの目標達成度を役員報酬を算定する基準のひとつとして盛り込んでいるそう

COP26  既視感ある結末 脚本通り? 「京都議定書」「パリ協定」は最後の一葉

  COP26が終幕しました。2021年11月の開幕当初に指摘しましたが、主要国代表が変革に挑む姿勢を強調する演技が目立つ一方、議論の中身に新鮮さが感じられませんでした。個人的には既視感のある国際会議と同じ風景と重なり、そのまま冷めて眺めていましたのでその結末にも驚きはありません。 なにしろ

ESG投資は「ファクトフルネス」に耐えられるのか アルケゴスの幻影がちらつく

 2021年11月13日、COP26が終幕しました。開催地英国グラスゴーの名を冠した採択合意には「排出権取引」と「先進国から発展途上国への環境技術と資金援助」が明記されました。これをビジネスの世界の言葉で翻訳すれば、地球温暖化の主因とされる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を削減するため、

Eco*ユニコーン創生 政治・経済の混乱期に生まれる 今が「その時」

 高橋治則さんを覚えていますか。1980年代後半から太平洋を舞台に大規模リゾート開発を仕掛けた不動産会社、EIE(イーアイイー)の社長で、数多くの経済事件も発生したバブル経済の光と影を体現した「バブル紳士」の一人です。日本長期信用銀行(現在の新生銀行)から巨額融資を受けて派手な投資を展開します。南太

Eco* ユニコーン創生 日本の社会の掟を破る ゲイツもブランソンも夢見る若者だった

 「千三つ(せんみつ)」という言葉を聞いたことがありますか?新製品や石油資源の開発について現場責任者がたびたび自虐的に引用します。意味は字句を見た通り、1000回のうち3回でも成果が出れば大成功というイメージです。新製品開発も石油資源開発も巨額資金を費やします。精緻な調査と優秀な人材を投入して100

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