JFE 高炉から電炉へ 脱炭素の覚悟 過去の栄光と葛藤の末に Eco*Ten 6・5点

 JFEスチールが高炉1基を電炉に転換する方針を固めたそうです。高炉は鉄鉱石とコークスを原料に還元反応を起こして高品質の鉄を生産しますが、CO2を大量に排出します。これに対し電炉は鉄スクラップを電極で溶かすため、CO2排出量を大幅に抑制できます。しかし、鉄鋼業界にはヒエラルキーがあります。高炉には明

政府、原発推進へ大転換 及び腰から本腰へ 本気度をEco*Ten 10点満点の3・5点

 岸田首相が原子力発電所の建設推進に舵を切りました。2011年の東日本大震災による福島第一原発事故は福島県を中心に甚大な被害を与えるとともに、原発推進の流れを止めました。国民から安全の徹底策を求める声は強く、その後も東京電力など原発を運転する事業会社の不祥事が加わり、与野党も含めて原発に対する見方は

「セミしぐれ」を残す自信がありますか?都市の農地、樹木は消え続ける

 宮城県の秋保温泉に近いキャンプ場で家族とテントを張って宿泊した時です。前夜はまだ小さい息子と一緒にBBQを楽しみ、真っ赤に焼けた炭の残り火で温めたお湯を焼酎に継ぎ足し、そして継ぎ足して気持ち良く酔って寝ました。翌朝、突然の大音量に目を覚めました。森中のセミが一斉に鳴き始めたのです。朝5時ごろ、夜明

明治神宮外苑の木の伐採、自然と人々が離れていく 再開発会社のSDGsはどこへ 

 東京だけの問題だろうか。 東京・明治神宮外苑地区が再開発で揺れています。地区の象徴とも言えるイチョウ並木の多くが伐採されることに対し、反対の声が上がっていました。再開発を請け負う事業会社は当初計画1000本程度を伐採する予定でしたが、550本にまで減らす案を提示。8月16日に開催した東京都

日本製鉄 シアン流出の報告漏れ ESG経営の評価漏れもあぶり出す 

 改めてESGやSDGsに関する経営評価の難しさを痛感しました。日本製鉄が千葉県君津市の工場から有毒物質シアンを流出させ、しかも法定基準値を超えた検査結果39件を3年間以上に渡って公表していないことがわかりました。またシアン流出以前に工場から吐き出された脱硫液の検出についても、高い検出値を無視して低

JurassicWorldと共生できるか、それとも人類がJurassicWorldになるのか

はたして、地球を支配するのは人類か、恐竜か、それとも共存を選ぶのか・・・。シリーズの壮大なる終焉を見届けよ(ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のパフレットから) というわけで、映画を見てきました。小学生の時に恐竜にハマって以来、ゴジラ、モスラの映画とともに地球と生物の世界観を養ってきました。

ESG・SDGsの経営 金融サービスと製造業を並べて評価するのは公平か

 SDGsやESGを評価基準にした企業経営の調査が増えています。地球環境問題は世界的な関心事だけに、調査の実施主体は大手会計事務所やシンクタンクにとどまらず、新聞や経済誌などさまざま。幅広い層からの反響が大きい証です。ESGなどをテーマに設計した投資商品もどんどん増えています。投資効率の良さを重視し

環境農家とESG・SDGs 環境を日本語で考える力 英語で考える力

 環境農家という文字に軽い衝撃を覚えました。これまで何度も目にしていてもおかしくないはずです。にもかかわらず、あるテレビのドキュメンタリー番組で登場した人物が「環境農家」のタイトルで紹介された時、意表を突かれた思いでした。漢字4文字の重みを痛感 日本語の強さを改めて痛感しました。たった4文字

限界無しのGenkai集落 外国から多くの才能を日本国籍並みの自由度に

 もう10年前のことです。米国ニューヨークの近代美術館を訪れ、好きなカンディンスキーとピカソの絵画を見にいきました。久しぶりなので館内をぶらぶら巡っていたら、米国の新しい移住構想を提案するコーナーで足が止まりました。ルービックキューブのように人材と才能を引き合わて妙み発揮 目の前にはルービッ

企業のESG度を測るインパクト指標「見える化」が見えない落とし穴に嵌る 知らず知らず銀河の彼方へ

 経団連が活用を呼びかけている「インパクト指標」を改めて理解しようと試みました。途方に暮れました。 きっかけは経済・金融情報サービスのブルームバーグから届いた1通のメール。2022年6月に企業と投資家の対話に活用するよう提案した「経団連のインパクト指標」。この指標84項目のうち9項目でブルー

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