環境経営の虚と実② EV支援策が消えた米国 蛇行するテスラはそれでも飛翔する

 米国が2025年9月末、電気自動車(EV)の購入補助を終了しました。トランプ政権のもとで打ち切られた制度は最大7500ドル、150円で換算すると(約112万円)の税額控除が受けられました。エンジン車に比べ割高なEVはこの購入補助で価格競争力を維持し、販売台数を押し上げました。世界トップ

優良格付けの落とし穴 あの花井組がディスコなどと並んで経産省の健康経営優良法人に

 企業の優劣を計る「格付け調査」は改めて難しいと痛感する事実でした。 あの「花井組」が経済産業省の「健康経営優良法人」に認定されていました。「花井組」とは札幌市西区の建設会社で、社長が社員に日常的に暴行していた映像が拡散しています。対外的には社会や従業員に対し心配りする会社というアピールに努

衆院選挙、異常な猛暑や豪雨は票にならない!?気候変動対策が公約に盛り込まれない不思議

 日本にようやく秋が訪れて来ました。2024年の夏は気温35度を超える猛暑日が北海道でも当たり前のように何ヶ月も続き、春夏秋冬を満喫できる日本の四季のリズムは完全に崩れてしまったようでした。もっとも、猛暑の後の秋は短期間で終わるのが最近の常。そんな季節感が寂しいというか、地球温暖化による気候変動の恐

環境省 霞ヶ関の病に侵され、水俣の声が聞こえず Eco*Ten 零点 

  環境庁の事実上の初代長官の大武武一さんは「正義の味方 月光仮面」と呼ばれました。ところが、現在の大臣は水俣病の声を聞こうとしない。きっと環境政策の実践についても自身の志がないのでしょう。環境相が大臣ポストの一つに過ぎないことを改めて痛感しました。とても残念です。5月1日に水俣病は確認され

日本生命 核兵器製造に投融資せず ESG投融資は具体的な説明と議論があって☆が並ぶ

 日本生命が「ESG投融資」を改め、核兵器を製造する企業に対して投融資を禁止することにしました。すでに第一生命が禁止しており、驚く方針ではありません。日本のESG投融資は世界の金融機関に比べて出遅れており、ようやく体裁が整い始めた段階。日本のESG投融資の実効性がようやく問われる。これが実態ではない

e-Fuelが映し出す日本のEco*Ten 再生エネ拡大に弾み、北海道が”映える”

 環境負荷を減らした合成燃料「e-Fuel」が改めて脚光を浴びています。欧州連合(EU)が2035年から新車すべてを電気自動車(EV)に切り替え、エンジン搭載車の販売禁止を決めていましたが、e-Fuelを利用するエンジン車の販売を認めることにしました。ドイツなど自動車産業が経済の基幹の国々にとってエ

カルビー Eco*Ten6・8点 ESGの先進モデル・農工一体を再構築 自らの改革力が問われる

 カルビーをEco*Tenします。 カルビーはポテトチップスなど成長を支えた主力商品の多くがじゃがいもを素材としています。日本のじゃがいもの15%を消費するほどです。早くから北海道などで農家と契約を結び、素材の生産と製品の生産を一体化する当時としては画期的でした。「掘り出そう。自然の力。

スズキEco*Ten7・1点(下)インドなど途上国の経験と貢献が「スズキらしさ」をより強く

 スズキは、「やるぞ」と言ったら、やり抜くのが真骨頂です。環境経営の視点でみると頭抜けた存在ではありません。気候変動対策が喫緊の課題、というか避けて通ったら会社の存続は考えられない時代に突入しました。「2030年度に向けた成長戦略」の内容に派手なキャッチフレーズは見当たらないものの、着実に実行できる

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